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株価水準を測るための基準

【POINT】ファンダメンタルズとバリュエーションは株価の表と裏
株式の本源的な価値を分析することをファンダメンタルズ分析といいます。
一方、バリュエーションとは投資家が思う株式の価値の収束点。本来であればこの2つの価格は一致するはずなのですが、実際の市場では一致することはほとんどありません

 この記事は、投資信託エキスパートハンドブックに掲載したものを一部修正して掲載しています。

投資信託エキスパートハンドブック

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 ◎「バリュエーション」と「ファンダメンタルズ

株式関連のニュースを見ていると、「バリュエーション」という言葉と、「ファンダメンタル(ズ)」という言葉が出てきます。それぞれ、「Valuation」、「Fundamentals」という英語なのですが、直訳すると、「評価」、「基本」となります。

「バリュエーション」はその株式の「評価」ということです。評価が高いということは人気が高いということを意味します。株式のレポートで、『バリュエーションの観点から売却した』と書いてあると、『人気が出すぎて割高になったので売却した』という意味になります。

ファンダメンタルズ」は、その株式の本来の価値という意味です。業績や業界内でのポジションなどを勘案して企業価値を求めて、それに基づいて計算した株価を指すことが多いです。株式のレポートで、『ファンダメンタルズの改善が期待できるために・・・』と書いてあれば、売上高の好転や営業利益の回復など、会社の業績そのものがよくなるということを意味しています。

◎「バリュエーション」と「ファンダメンタルズ」の狭間で動く株価

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ところで、実際の株価は、「バリュエーション」と「ファンダメンタルズ」の狭間で動いています。ファンダメンタルズが改善するまでじっと待っている投資家はいません。売上げが2倍になった企業の株価は、その発表がある前に上がってしまいます。だから、投資家はその企業を継続的に値踏みしています。それが、バリュエーション、企業評価です。バリュエーションの内容は投資家によってまちまちです。まちまちの段階では株価にあまり影響を与えません。しかし、投資家のバリュエーションにあるトレンド(傾向)が生まれるとそれは株価に影響を及ぼします。

◎株価水準を測るための基準が必要

負のトレンドが生まれると、株価にマイナスの圧力がかかることになります。ここで投資家に差が出ます。ファンダメンタルズの話ができる人にとって、株価の基準は自分で推し量った株価ということになります。できない人にとって、株価の基準は他人の評価の平均ということになります。負のトレンドが発生したときに、“分散投資”や“長期投資”を話しても適切な説明はできません。必要なのはなぜ負のトレンドが発生したのかその理由の説明と適正な株価水準の説明になるでしょう。

 

 

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市場を動かしているものは

【POINT】コンセンサス(予想)と現実のギャップが市場を動かす

多くの投資家は経済統計などを先読みする予想を行います。投資家の予想の平均が市場のコンセンサス。市場のコンセンサスと現実が大きく異なると市場は大きく影響を受けることになります。

この影響を積極的に使おうとするのがバリュー投資です。そして、ある程度この影響を利用するのがドルコスト平均法です。アクティブ運用にとってもパッシブ運用にとってもコンセンサスを知っておくことは大切です。

 ※この記事は、下記の書籍の一部を抜粋したものです

投資信託エキスパートハンドブック

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 市場のコンセンサス

株価を決めるものは何か?誰も解くことのできない永遠の課題ですが、株価に影響を及ぼす大きな要因として、現実が予想と違っていることが挙げられます。『失業率が悪化したから株価が下がる』と考えるのではなく、『失業率が予想していた水準より上がったから株価が下がった』と考える考え方です。

この予想、少し気取った言い方をすると「コンセンサス」という言葉になります。「市場のコンセンサス」というのは、「市場の予想」ということなのです。そして、世界最大の株式市場である、米国の株式市場では実にたくさんの市場の予想が出回っています。労働省の労働統計が出る前には、民間会社の労働統計が公表され、さらにその前には予想値が出回っているのです。

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びっくり指数

さらに、米国では、実際の数値と予想値の乖離までもが指数化されて公表されています。かんたんにいうと「びっくり指数」です。「現実のデータは予想よりよかった」というのはよい意味でのびっくり。逆に、「現実のデータが予想以下であったら」悪い意味でのびっくり。びっくり指数の本名は、” Citigroup Economic Surprise Index”といいます。

このびっくり指数が悪化すると、どうも経済統計が思っている水準を下回っているということになります。株式市場全体もなんとなく調子が悪くなっていることが一般的です。

バリュー投資

さて、こういうときに株式を購入するタイプの投資方法を「バリュー投資」といいます。『経済が思っている以上に悪化しているのでは?』と周りの人が思っているときに、投資するわけですから勇気のいる投資方法ですね。でも、株価の適正水準を勘案して、実際の株価が割安な水準に放置されているときに購入するというのがバリュー投資の原則です。

ドルコスト平均法

そこまで勇気のない人は、「ドルコスト平均法」です。ドルコスト平均法とは、毎月、一定金額で購入を継続する方法です。つまり、投資を続けておくことがポイントです。景気が悪化しているかもというときに、いつものとおり投資を続けることは少しだけ勇気がいるということですね。でもこの少しの勇気が平均買付価格を下げてくれることになります。

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