コーラブル債に投資するファンド
コーラブル債というタイプの債券があります。通常の債券より少し利回りが高いので、コーラブル債に投資するファンドはパフォーマンスがよく見えます。でも、コーラブル債には繰上償還リスクがあります。コーラブル債に投資するファンドでは、特に、繰上償還に気をつけましょう。
コーラブル債に投資するファンド
ファンドの繰上償還は、ファンドの規模だけでなく、ファンドの投資している証券によってももたらされます。コーラブル債というタイプの債券があります。コーラブルとは、コールとブルに分けて考えるとわかりやすいです。コールというのは“売る”というものです。ブルは可能を表します。つまり、“売ることができる”というのがコーラブルの意味です。だれが売ることができるのかといえば、債券の発行体です。
つまり、債券の発行体がいざとなったら売ることができる債券が、コーラブル債です。債券に償還条件が付いていると考えるとよいでしょう。ただし、それだけだと投資家にとってマイナスにしかなりません。そこで、コーラブル債は少しだけ高い
金利が設定されるのです。
保有している債券の
金利が高いと、ファンドもたくさんの収益分配金を支払うことができる。そのため、コーラブル債に投資するファンドはパフォーマンスがよくなるのです。
コーラブル債の価格と繰上償還リスク
コーラブル債はどのような時に償還されるのでしょう。それは、
金利が下がった時です。
金利が下がると、債券の発行体は
金利の高いコーラブル債を償還してしまって、新たな
金利の低い債券を発行してしまうほうが
金利の負担が少なくて済むのです。
一般の債券を考えると、
金利は低いほうが価格が上昇します。なぜなら、将来の
キャッシュフローを割り引くときに、
金利が低いほうが金額が高くなるからです。
国債をイメージして、
金利が低い時は景気の悪い時、だから、株式より債券のほうが人気が高い。だから、債券の価格が高くなる。そう考えても構いません。
ファンドで考えるのであれば、通常、債券に投資するファンドは
金利が下がると価格が上がるといえます。でも、コーラブル債に投資しているファンドの場合、
金利が下がりすぎると繰上償還のリスクが発生するために、逆に価格が下がることになります。
この記事は、「
投資信託エキスパートハンドブック」のリメイク版の一部です。