婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の贈与等に関する優遇措置
2019年7月、相続法の改正によって、居住用不動産を贈与した場合、配偶者に有利になる取り扱いが創設されました。
これまでは、被相続人(亡くなった人)が生前に配偶者に自宅の一部を贈与していた場合、相続財産の分解の計算のとき、(贈与された財産は相続の財産の先渡しと考えられ)相続財産に組み戻されて計算されていました。
図示したケースでは、配偶者の法定相続分は4分の3ですから、妻の法定相続分は6,525万円と計算されました。
今回の改正によって、贈与された2,110万円は、特別受益分とみなされて、相続財産とみなされません。そのため、妻の相続財産は7,052.5万円と計算できます。法令の改正で、527.5万円増えたことになります。
注意したいのは、相続税(贈与税)です。こちらでは夫婦間の贈与の特例は従来より存在しており、特別控除と暦年控除の合計で2,110万円までは贈与税は発生しないことになっています。
相続と相続税は違うということも確認できますね。